ones-house 補足と感想と考察と雑記

Ones House についての、説明補足と、やっていての感想です

線と点

昔やったギャラリーでの展示でも書きましたが、
自分は人の作品を観る時と同様、
自分自身の作品、撮影の時にも一観客で、
言えば自分の好きな作品(現実の風景)を撮っていると言うか、
記録している訳です。

ただ漠然と記録(撮影)しているかと言えば、
そうではなく、
特に自分の好きな要素が目立つ様に撮影している訳で、
作り手側ということを考慮すれば、
その好きな部分と言うものが、
こだわりと言えないこともない訳です。

要素の一つとして線があります。
特に東京で撮影していた頃の写真とかは、
線の部分だけを抽出した画像と、
実際の写真とで、
自分の中で大きな相違はありません。
中間調を綺麗に出そうといった気はさしてなく、
濃度をややつぶれ気味にまであげるのも、
(要は濃い目、暗めにプリントします)
線の要素が自分の主だった好みで、
その要素が分かりやすく出るからだったと思います。

ただ、
極端なハイコントラストにしなかったのは、
非現実感の強調が過ぎるからで、
特に意図なり意思を持たない場合には、
極力現実に近い、ノーマルの方が、
逆に求める要素が際立つ中との考えの故です。

ただ、
一つに線といっても、
自分が好きなのは立体物の輪郭線が、
層状に折り重なり、
何ともいえない調和を見るときなので、
水泡の重なりとか、曲線的なもの、
またレーザーによるコンサートで見られるような感じの描写は、
特に好みではありません。
立体、というよりかは、
どこか面を意識できることが望ましいと言うか。
ですから造形としては四角が好きで、
そう言った傾向は他の人の作品を見るときにおいても、
分かりやすく表れていると思います。
ジャンルも写真に限らず、
以下の様な作品や、
2013.9.17-9.28 ギャラリー現 ダニエル・ゲティン稲垣遊2BLKS
あとはグラフィックデザインの本とか、
古本屋等でついつい見てしまいます。

あとは横尾さんの、
特に若い頃のポスターとかは好きで、
自宅の部屋に飾ったりしています。

もう一つ自分が好きな要素として点があります。
元々長野重一さんの影響が強いと思うのですが、
遠くにポツンと何かあるというものに惹かれます。
写真以外のジャンルですと、
幻の光と言う映画のロングショット(引き画、広い感じの構図)で、
主人公の女性が画面の端から端まで歩くのを、
ただ永遠とカメラに据え置きで捉えられたものがあるのですが、
そう言ったものは好きな傾向があります。
あとは服飾におけるワンポイント的なものとかも似てるかなぁと。

和装の花嫁衣裳、~高島田(?)と言うんですかね、
それに舞妓さんなどの、
お白粉の下地に、口に紅を控えめに塗ることで、
全体が映えるあの感じがするものは、
割りにどれも好きです。
華の散る頃のDMに使用した、
桜の散った花弁の中、椿の花弁がチョコンチョコンとある
(分かりにくいですが)あの感じも、
舞妓さんの紅をさすのと、
多分同じ惹かれ方で撮っていたと思います。
(ただそれを暗喩している訳ではありません。
光景として綺麗だなと)

自分の場合は記述の様に、
主だった所で線(面)と点の要素を街の中で見つけると、
ついつい撮ってしまいます。
まぁ、自分の定番的な好みと言いますか。
その取りまとめ方を改めて考えると、
まず点を打って、それに面を重ねていくのが、
自分の写真への画面のまとめ方な訳です。
勿論そうではない場合も多々ありますが、基本的には。

構造的には恐ろしく簡単なので、
誰でも撮ろうと思えば撮れるとは思うのですが、
常にそのアンテナを貼れるかというと、
これは中々難しいのかと思います。
と言うか、その必要はまるでないのですが、
自分の場合はそういった傾向が趣向として定着しているので、
そう言ったものが目に入ると、自然と反応します。
逆にそう言ったものを特に好んでない人は、
意識的に探そうとしなければそれに気付きません。
それが一つに作家の個性なのだろうし、
ある種強みになるのかと思います。

そして、それぞれの作家がそれぞれに、
反応するアンテナを有していて、
それぞれに違うのが自分などは面白いのかなぁと思います。
どれが良いと言う訳でなく、
それぞれに違った視線で街を見ていて、
それぞれの良さが写真に表れるわけですね。

ここまでが基本的な自分の写真の要素としてあって、
言わば構図として惹かれる要素ですね。
そして西脇に来てからはカラーで撮影しているのですが、
上記の要素に色の好みが加わる訳です。
東京でも西脇に移る1、2年前位より撮ってはいたのですが、
基本的にはモノクロでしたので、
西脇に来てからカラーは本格的に撮りだしたと言いますか。
言えば輝度差によってモノクロで成していた部分を、
捕色性に置き換えて、
とも、色々なのですが、
これはまた別の機会にでも。
ではでは。