ones-house 補足と感想と考察と雑記

Ones House についての、説明補足と、やっていての感想です

ギャラリーの役割についての雑感

ギャラリーは勿論のこと、
作品発表が第一義なのですが、
(細かく言うとアーカイブ性・作品管理とか、
もっと色々あるのかとは思うのですが)
振り返り考えてみると、
情報が集約されるその媒体、
また、写真家と写真家及び写真関係者をつなぐ、
場としての側面もあったように思います。

自分の場合、清澄で運営に参加していたギャラリーと、
新宿御苑および新宿三丁目のギャラリーにずっと出入りしていて、
写真関係の知り合いとはそこで大半の人とは知り合った気がします。
他にもありますが、
基本的にはギャラリーを介して知り合いましたし、
それ故に連絡先は特に知らないけれど、
そこに行けば会えるだろうと割り切っている人も多々います。
帰省の折、約束をしてるわけではなしに、
ばったり会う人も多いです。

情報集約の媒体と言うことを、
もう一歩進めて考えると、
ある種ギャラリーがメディアとして機能していると。
つまりはそこに出入りしているお客さんが、
情報授受者兼記者に似た役を担っている訳ですね。
展示の評判なりイベント開催情報、
暗室技術から印刷物、告知のやり方、
新機種の操作性
(自分達はフィルム中心だった為デジタルはそんなでもないですが)、
あとは本に書かれていないような、
過去の写真の業界の情報やら何やらかんやら。
自分はギャラリーに立ち寄ることにより知った、
と言う場合が殆どだった気がします。
写真雑誌等は、そう言ったものを、
万人に向けていっても大丈夫なものを、
紙面上でまとめていると言った意味合いのもので、
特に情報を得るためのものではなかったと思います。

西脇に身を置く現在は、
写真を専門としたメディア(ギャラリー)がない訳なので、
webか雑誌、あとは知り合いとやり取りしている手紙の中で、
情報を得るしかない訳です。
しかしながら写真に限らないことで言えば、
良く行くコーヒー屋さんや呑み屋が、
ある種のメディアな訳で、
そこより西脇の情報を得た感があります。

写真に関することについてはまだ、
自分は知っている方だとは思うのですが、
それを伝える場もなければ、受け取る固定した場もない訳で、
(知らないだけかもしれませんが)
写真の情報を知るという意味では、
ギャラリーが多いことによって得る部分と言うのも多いのかなと。
勿論写真に詳しい方もいるのでしょうが、
それぞれ個人によって調べた情報に留まり、
地方においてはそう言った個々の情報の集約媒体と言うものが、
都市部に比べ弱いのかなぁと、今のところ思います。

あと、
昔より写真の雑誌なりマスメディアに対し、
全国の情報を網羅しようとするのであれば、
地方局と言うものが必要なのではないかなと思うも、
雑誌の売り上げが伸び悩む中、
まぁ現実的ではないわけですが、
地方におけるギャラリーがその役割を担えたら、
良いのになぁとか思います。

ただそれにはあくまでギャラリーに情報が集約される、
その環境が必要で、
多くの人が足を運びやすいことがまずあって、
そうを考えるとギャラリーは常々開いている必要がありますし、
そうなると発表する人も展示が途切れないよう、
多くいなくてはいけない。
ギャラリーの人も、作品の売り込み
(なぞしてるかなぁと言う気もしますが)に限らず、
お客さんと話さなくてはならないし、
もとより在廊も常にしなくては、
と、
全て、自分の勝手な希望なのですが、
展示の良し悪しもさることながら、
ギャラリーの役割として、
そう言った部分が機能することが望ましい気がします。

また、よく地方のギャラリー訪れる人に、
どうやって展示の情報を知るのですがと聞くと、
大概がピンポイントでそのギャラリーのwebサイトを見るといいますが、
ギャラリー側も、
自分が足を運び交流のあるギャラリーには
リンクを貼って貰えたら遠方のギャラリーにも足を運びやすくなるのでは、
ギャラリーに限らず観光スポット、食べ物屋…となると、
写真ギャラリーとしての品格が損なわれるのかな?
でも実際そう言ったものをまとめて調べられると、
行きやすくはなるのになぁとは思います。

まぁいずれにしても、
地方はメディアが乏しい訳ですね、
雑誌社がないことに限らず、
情報が飛散してると言うか。
多分どこか集約されている場所はあるのでしょうが、
それがどこなのかが何とも分かりにくい。
そして東京から発信されるマスメディアの情報が、
強く影響してしまう様な。

逆に東京では、
ギャラリーで必要な情報はほぼ揃ってしまうから、
雑誌社との交流を必要としていなかった様な。
知り合いや自分のギャラリーが掲載されても特に気にせず、
実際、明確な反響がある訳でもないので。
(まぁ、自分達の告知不足の感もありますが)

あとはweb、自分が現在やっている自宅、壁面の展示も、
情報の集約と言う意味ではまだまだ機能を果たしていないですね。
期間中、確かな場を有して開廊しているギャラリーは、
やはり仮想空間(web)や閉じた中にあるものより、
明確に存在感というものがあるのだと思います。
たとえwebの方が沢山見られたとしても、
あくまでwebは発信だけの片側一方向で、
ギャラリーにおける双方向の流れを考えると、
(↑情報集約の場という考えが正しいと仮定した場合ですが)
webの500より実在の50の方が得られえるものは大きいのかと。
まぁ、
webもまだまだ工夫の余地が残されているとは思いますが。

あとはコマーシャルギャラリーのスタッフさん等は、
勿論所属しているギャラリーの作家等には詳しいのですが、
他ギャラリーを含めた全体的な事に関しては、
割と疎いと印象を受けます。
あくまで自分の雑感ですし、
いきなり会った自分にいえないことも多々あるでしょうけれど、
お客さんがこなくてもやる仕事が明確にある訳で、
他のギャラリーを回る時間も限られていると言うか、
ないというか。
その意味では作家兼ギャラリー運営をしている自主ギャラリーの方が、
情報としては詳しいような。
勿論コマーシャルギャラリーならではの知識はお持ちかと思いますが、
ある程度狭く深くと言った印象です。
また、自主ギャラリーにおいても、
他のギャラリーに皆足を運んでいるかと言えば、
人によってまちまちで、
あくまで傾向として詳しいかなと言った感じです。
制作と発表で一杯一杯で、
他まで足を伸ばせないと言った知り合いも多々いましたし。

まぁいずれにしても、
そうやってギャラリーを人が回っていくと言うことが、
ギャラリーをメディアとしての機能させる面があると思います。
生きた情報と言う意味では、
マスメディアよりもギャラリーの方が、
早いし、正確だし、深い様に思われます。
(個人の信頼のみで話してくれるので、
マスメディアの様な制限もないですし。
まぁ、どこまで話してくれるかはあくまで個々人の関係性、
そう言ったものを築けるかによるかとは思うのですが)

昔はマスメディア等の人間もギャラリーの人間も、
一緒に交流し一緒になってメディアを形成していたのでしょうが、
現在はマスメディアはメディア関係者内で、
ギャラリー関係者はギャラリー関係者内でと、
別々に情報を回しているような気がします。
程度の差はあれ、
昔よりかは別々となった気がしますし、
繋ぐ人もいないのかなと。
それだから元々写真家同士では評価の高かった人が、
何らかのきっかけでマスメディアに取り上げられた時、
あまりに頓珍漢なコメントをしているライターさんを、
よく見かけますし、
元よりマスコミ関係の人に対する信頼も低いですね。
少なくとも自分は。
作品を直接みないで、または時間を余りかけないで、
コメントしている人とうい印象しかないので。
勿論見ている人もいるのでしょうが、
量が違うかなと。
まぁ、他にやることが沢山あるのでしょうけれど。
朝まで話明かしたと言うマスコミの人などまず聞かないし、
いたとしても元々写真家だった人とか。
誰かのオープニングでちょこっと話す程度で、
腰をすえて話す機会等もほぼないですし、
そんな人にどう書かれようと書かれまいと、
どうでも良いと言うか。
まぁ、こちらが歩み寄ってない部分も強いのでしょうが。

あとは雑誌においての写真家の仕事が減っているというか、
昔に比べ限られていると言う傾向も原因の一つにあるのでしょか?
昔は雑誌と言うものが写真家の活動の場だった様な印象もありますが、
ここら辺は自分には良く分かりません。

人間同士のやることなので、
互いにやることがあるし、
次官の会う日と会わない人、色々でしょうが、
どうしても偏りは出てくるし、
信頼に足る情報と言うのもそれぞれだと思います。
現状マスメディアの写真に関する情報には、
自分は価値は見出せませんし、
また雑誌編集者に時間的な余裕がなくなっている、
と、いえるのかもしれません。

西脇に移る前、
地方では情報は自分で得ようとしてなれば得られないが、
その代わり要らない情報も入ってこないと言われましたが、
まぁ、その通りだなと思います。
また、得られる情報が限られる中で、
マスメディアの影響が強いのもよくよく分かります。
自分は信用してないですが、
結局は信用できる人の情報を信用する訳ですし、
そうなると足を運んで直接人との交流がないと、
信用なんて出来ない訳ですね。

webやsnsが発達する中で、
マスメディアというものは、
現場からどんどん遠ざかっているなぁと思う今日この頃です。
まぁ双方の責任なのかとは思うのですが。